1910年代のパテック・フィリップが入荷致しました。
今日のパテックはすごいですよ。当ブログでご紹介してきたパテックの中では最古の腕時計。1910年代のスクエアウォッチです。
実にデコですね。アールデコは1910年頃~1930年頃に流行ったスタイルですから、正にアールデコ真っ只中の時計です。青焼きのスペード針にエナメルで描かれたレイルウェイトラックとユニークな書体のアラビアインデックスと、アールデコファン感涙モノの造り。こういう個体はそうそう出会えるものではありません。
文字盤は流石に年代相応のエイジングが見受けられますが、これはむしろ好きな人にはかなり刺さる顔つきに仕上がっています。自分のかなり上の先輩達がよく言っていた、”良い歳の取り方をした時計”という言葉がピタリと当てはまる、そんな一本です。
アーカイブは取得済み。(ムーブメントの)製造が1919年なので105年前の時計ということになります。正真正銘のアンティークという訳です。
ケースには細かな装飾が彫りこまれ、更にエナメルを流し込んでいたものと思われます(装飾の外周に一部ブルーのエナメルのが残っています)。
これまた美しいブルースチールのスペード針。100年以上経てもなお美しい輝きを放っています。先端の鋭さや立体感も流石の出来栄え。
ムーブメントは手巻のCal.9”’を搭載。懐中時計のムーブメントにかなり近い、古き良き時代の丁寧な手仕上げを感じます。100年以上前の個体でありながらコンディションも文句ありません。
ケースサイズは約22mm×約22mm。かなり小振りなサイズではありますが、100年間の重みは単なるサイズでは測れない重みがあるのか思わず引き込まれます。
加えてラグ幅は16mm程度あるため手首に対して縦のラインが強調され、サイズ以上の迫力があります。ケースの装飾と菊型のリューズがデコ感マシマシって感じで最高です。
バックルは後年のパテック純正18KYG尾錠が付属します。
扱い・着けこなしを考えると、少し玄人のお客様向けな感のある今回のパテック。しかし “100年以上の歴史を持つ真のアンティーク” が放つこの圧倒的な存在感の前には、知識の有無など関係なく誰もが目を奪われることでしょう。
極めて貴重な100年以上前のアンティーク・パテック、当店にお越しの際は是非お手に取ってお楽しみください。
銀座店 中野
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