1950年代のオーデマ・ピゲが入荷致しました。
本日はオーデマ・ピゲの美しい手巻きのドレスウォッチのご紹介。
ヴィンテージのオーデマ自体がパテックやヴァシュロンと比べて数が少ないことは当ブログでも度々言及しておりますが、特に手巻きの3針モデルは輪をかけて出会いの数が少なくなります。今回ご紹介するオーデマはスモセコ仕様のバーハンドで、当ブログでは約3年ぶりのご紹介になるかと思います。
特筆すべきはケースコンディションの良さ。あまりヴィンテージウォッチに馴染みのないお客様はケースの黒ずんだ雰囲気に驚かれるかもしれませんが、これは長年手付かずだった証。日常的にヴィンテージウォッチを楽しまれてるお客様には写真からでもケースコンディションの良さを感じて頂けるかと思います。
オーデマと言えば針の美しさは避けては通れません。非常に細く鋭いバーハンドでありながら、しっかりと立体感を感じる事が出来る造形は一流の職人のなせる業。
ハカマの美しさも文句無し。比較的ご紹介の機会の多いセンターセコンドのオーデマも非常に美しい針・ハカマの形状をしておりますが、スモセコのオーデマも実に素晴らしい。何度見ても見惚れてしまいます。
ムーブメントはジャガールクルト製の手巻きムーブ、Cal.2001を搭載。この時代のオーデマやヴァシュロンを支えた非常に信頼性の高いムーブメントの系統。正直ドレスウォッチはこの機械が入ってる時計ならとりあえず間違いないと思います。軽い・カチカチとした巻き味も最高です。
先程迄の写真ですとかなりケースが黒ずんで見えたかと思いますが、実際はこちらの写真位の色味が一番実物に近い色味かと思います。因みにケースの黒ずみ(金錆)は金磨き等で軽く磨くだけで簡単に落ちてしまうのですが、まずはこの状態を見て楽しんで頂くのがヴィンテージの醍醐味かなと思います。
ケースサイズは約35mm。手巻きのオーデマとしてはケース径はやや大振りな印象ですが、ご覧の通り腕乗りは文句無し。気持ち良い位腕にハマってくれます。
薄型時計のケースデザインの秀逸さもこの時代のオーデマの特徴。かなりの薄型なのですが、しっかりと立体感・存在感のある造形に非凡なセンスを感じずにはいられません。ピシッと立ったラグ・ケースのエッジが更に引き立っています。
私事で恐縮ですが、2年前にたまたまプライベートで見つけた手巻きのオーデマを買って以来、薄型時計はオーデマにぞっこんです。本当は自分は30年代~40年代のテイストが一番好きなんですけどね。趣味嗜好を良い意味で覆してくれたヴィンテージ・オーデマ、恐るべしです。
因みに今日のオーデマも個人的には今年仕入れた時計の中でもトップ3に入るくらい気に入っています。本当は自分のモノにしたいくらいなのですが勿論お客様が優先です(笑)
希少な手巻き3針スモセコのヴィンテージ・オーデマ、当店にお越しの際は是非お手に取ってお楽しみください。
銀座店 中野