1990年代のブレゲが入荷致しました。
本日もブレゲのご紹介。自動巻きのRef.3320BA。販売当時は手巻きよりも遥かに高い価格設定で生産数も決して多くはない中々にレアなモデル。
中3針のセンターセコンドで、中央と外周で模様を分けた美しいギョーシェ彫り、同心円状の仕上げが施されたローマンインデックス、三者三様の異なる仕上げが織りなす文字盤は2トーンにも3トーンにも見える華やかさ。この世にドレスウォッチは数あれど、このテイストが出せるのはブレゲだけのアイデンティティに感じます。
ケースサイドのコインエッジの緻密さはまるでヨーロッパの建築物を想起させるような佇まい。
自動巻きでありながらも厚みはかなり抑えられ、私としてはもうこの時点で腕乗りの良さに期待をしてしまいます。
ムーブメントはレマニア製の自動巻きムーブを搭載。
ローターは21金製。ギョーシェも施された豪奢な造りです。
とことんまで円を基調とした文字盤レイアウト、引き込まれます。
ケースサイズは前回の3300と同様に約32.5mm。腕乗りは悪いはずがありません。バックルも3300と同様にブレゲ純正の18KYG製の尾錠が付きます。
今回の個体には販売当時のギャランティーが付属。
1997年にグアムにて販売された個体です。
今日は最後にカレンダーについての独り言を。ドレスウォッチにカレンダーは是か非か。
極私的な話ではありますが、私としてはドレスウォッチならば3針でノンデイトが好みで、今後もし手持ちで一本残すならやはりそのスタイルの時計になるだろうと思うわけです。
そもそも時計を複数持っていると大体全部止まっているので、使う時にいちいち設定する煩わしさの無いノンデイトが増えていくわけです。
しかしそんな時計ばかり使って仕事をしていると、意外と時計で日付を確認したい時があります。普段はスマホで見れば済む話なのですが、「あ、ちょっと今はスマホ出せないなー」という瞬間が結構あるわけです。携帯、スマホが普及し過ぎて、部屋にカレンダーを置く習慣が薄れているのも関係あるのかもしれません。
そうなるとドレスウォッチにデイト、最近は結構アリな感じに思ってきてまして、でも雑にレイアウトされたカレンダーは嫌いなのです。
そんなこんなで今回のブレゲのカレンダー、これは良いですね。まずカレンダーの窓が6時位置なのが良いです。左右対称になるので美しさを損ねていません。文字盤の余白も程良く埋める役割を担っていて、全体の凝縮感もグッドです。フランス発祥のブレゲの事ですからフランス人が好むと言われるアシンメトリーな配置にするかと思いきやの直球デザインです。
日常使いに便利なドレスウォッチ。言葉にすると一瞬矛盾やナンセンスさを感じなくもないわけですが、ここ最近はこういう時計にグッと来る機会が増えているなぁとしみじみ思います。
という訳で日常使いし易い美しいシンプルウォッチをお探しの方には間違いなくお勧めですが、ここは敢えてノンデイ党(私含む)の方々も是非如何でしょうか。
当店にお越しの際は是非お手に取ってお楽しみください。
銀座店 中野