1990年代のコルム “ゴールデンブリッジ”が入荷致しました。
本日は普段と趣向を変えた逸品。1980年に独立時計師協会AHCIの初代会長ヴィンセント・カラブレーゼが設計したコルムのゴールデンブリッジ(1990年代製)のご紹介。
最大の特徴はケースの上下に橋を架けるように誂えられた縦一直線の輪列構造のムーブメント。ゴールデンブリッジの名の通り、ムーブメントの素材には18Kが用いられているのですが、時計のムーブメントに使用するには不向きな素材である18Kを用いるために、一つ一つの歯車を薄く軽く加工して組み上げられます。そのため通常の2針ムーブメントの部品点数の約2倍に当たる約140個の微細なパーツを要し、この極めて精密なムーブメントを組み上げられる職人はコルムでも2名しかいません。
現代のコルムのコレクションにも現存するゴールデンブリッジですが、年間の生産数は200本未満と極僅か。コルムの高い技術力を象徴するモデルの一つです。
美観面にもカラヴレーゼならではの拘りがあります。ムーブメントのブリッジにはブランドロゴと共にスイスのアール・ヌーヴォーの様式に基づく、アカンサスの花とシダ植物のエングレービングが施されています。更にケースは表裏だけでなく側面までもがサファイヤクリスタルで造られており、全方向からこの美しいムーブメントを鑑賞できるのです。
正にヴィンセント・カラブレーゼが考える、”ムーブメントが主役”の時計と言えます。
巻き上げはバックワインド式。ケース裏にあるリューズの取っ手を起こして巻き上げます。
コルム純正の18Kイエローゴールド製尾錠が付属します。
ケースサイズは約33.5mm×約25mm。サイズ的なバランスは一般的なレクタンギュラーと同等。初見は「身も蓋も無い言い方をすれば要するにスケルトンウォッチだよね」なんて思っていたのですが、腕に乗せて印象は変わりました。絶妙に多面カットされたサファイヤクリスタルは腕の角度でキラキラと輝き、まるで水晶を腕に乗せているかのように見えます。
左右の端に二面づつ、表と裏合わせて合計八面。この多面カットされたサファイヤクリスタルが生み出す輝きが、腕元に他の時計にはない存在感をもたらします。
どうですか。単なる奇抜なデザインの時計ではないでしょう?
今回の個体には希少なオリジナルのBOXと販売タグが付属します。
コルムはシェルマンの現行時計の部門でも取り扱いが御座いますので、ヴィンテージと現行のデザインの違いを見比べてみるのも楽しそうです。
独立時計師の祖ともいえるヴィンセント・カラヴレーゼの卓越した技術と独創性溢れるアイデアの体現とも言えるコルムのゴールデンブリッジ、当店にお越しの際は是非お手に取ってお楽しみください。
※現行のコルムのゴールデンブリッジについてはブログ Dear Watch Lover,をご覧下さい。
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