1930年代のロンジンが入荷致しました。
ロンジンの18KYG製のラウンドウォッチのご紹介。ちょっと前の入荷ですが好きなテイストだったのに何故か撮るのを忘れていました。
文字盤は2トーンをベースに、ロレックスのサイエンティフィック的なテイストを感じられる凝縮感のあるデザイン。ベゼルは幅広のフラットタイプで、18Kイエローゴールドという華やかな色味でありながらも力強い存在感があります。
文字盤はやや経年によるエイジングが見受けられますが、90年近く前の個体であることを考えれば申し分のないレベル。むしろヴィンテージらしさを感じられる、良い雰囲気かと思います。
ムーブメントはロンジン製手巻きムーブCal.27.Oを搭載。
何度見ても思いますが、この時代のムーブメントはロンジンがピカイチだと思います。多くのブランドがまだ発展途上だったように感じる中で、ロンジンの手巻きはこの年代で完成されてる感じがあるんですよねぇ。仕上げも丁寧で本当に良いムーブです。
ケースサイズは約30mm。何気に久々な感じです、このサイズ感の時計を腕に乗せるの。小振りながらもエッジの立ったケースデザインは迫力があります。
今日はもう少しこのケースについて掘り下げます。
“ケースサイズ30mm”、”幅広のフラットベゼル”、”ケース一体のラグ”とくればうちのお客さんならばパテックのRef.96を連想する方が多いでしょう。概ねこのロンジンも同じデザインではありますが、私としては96とは大いに違います。
一番見て頂きたいのケースサイドでして、この時計も構成は96と同じく3ピースケース(ベゼル、ミドルケース、裏蓋の3分割構成)ではありますが、96と比べるとベゼル部分が厚く、ミドルケース部分が薄く成型されています。通常ミドルケースが薄い方がケースラインが細く見えてドレッシーな雰囲気になるのですが、厚みの有るベゼルと組み合わせることで視覚的にケース全体も分厚いフォルムへと変貌しているのです。
個人的にはちょっとシリンダーケースに近いフォルムに感じますね。こういうテイストは実用ブランドのロンジンらしさが出ている様に思います。
と言う感じで、何となく96っぽいなぁと最初思っていましたが意外にも発見の多い撮影でした。96をお持ちの方はお店で見比べて頂くと面白いかもしれません。
当店にお越しの際は是非お手に取ってお楽しみください。
銀座店 中野