1930’s レコード/ジュネーブスポーツ ベビークロノグラフ PG/SS Cal-23.7

1930年代のレコード/ジュネーブスポーツが入荷致しました。

本日は非常にレアなベビークロノグラフをご紹介。

レコードはアンティークウォッチ市場では比較的良く見かけますが、ジュネーブスポーツは我々としてもかなり遭遇率が低く、当時としてもあまり生産数は多くないブランド。ましてやレコード銘の個体を見るのは私は初めてです。

そんなジュネーブスポーツ製のムーブメントを搭載したレコードのベビークロノグラフ。まず目を見張るのが約26mmという極小のケースサイズ。ベビークロノグラフは28mm程度のケース径が一般的ですが、更に一割弱小振りなケースにピンクゴールドのラグ・竜頭を備えたコンビケースは他に類を見ない佇まい。

ブラック文字盤にカッパーのブレゲ数字も非常に重厚感のあるデザインで、極めて小振りなサイズでありながらもしっかりと存在感が有ります。　

更に極めつけはクロノグラフのプッシャーが竜頭と同軸上のワンプッシュクロノ。菊型の竜頭デザインも相まって、非常にクラシカルな雰囲気が魅力的です。

ジュネーブスポーツ製のクロノグラフムーブCal-23.7を搭載。このムーブメントは本当にレアで弊社でもこれまで数本程度しか扱いがありません。

最小クラスのサイズでありながら部品の造りは丁寧で、数多あるヴィンテージクロノの名機と比較しても遜色ありません。シャトン止めされたクロノグラフブリッジの穴石や、耐久性の高さを感じさせる各パーツの厚みや仕上げ、ムーブメント好きのお客様には堪らないのではないでしょうか。

惜しいのがラグでして、11時側のラグには後年の修理と思われる溶接痕が見られます。

とはいえこの唯一無二のフォルムの魅力を損なう程ではありません。

普段から腕が細いことを公言している私ですが、この時計は私の腕でもかなり小振りに感じます。

そんな小振りなケースサイズを補うかの如くエッジの立った立体的造形のピンクゴールドのラグ。クラシカルなリューズの雰囲気から見落としていましたがよく見ると中々にゴツいデザインですね。

熱心にブログを見て下さっているお客様は写真でお判り頂けるかもしれませんが、手首全体にバンドがフィットしていてホールド感はバッチリ。文句無しの腕乗りです。

サイズやムーブメントのレアさが目を引きますが、この顔の良さが一番の魅力かもしれません。凝縮感が最高です。サイズも写真を撮り終わる頃にはすっかりと慣れました。

実は今回のベビークロノは少し前に入荷していたのですが、先日ご来店頂いたお客様とお話しした際にこの時計の稀少さと魅力を教えて頂いたため早速投稿した次第です。私も何だかんだで今年で時計屋歴8年目になるのですがお客様に教えて頂くことがまだまだ多いなぁと感じます。日々勉強、一生勉強ですね。引き続き頑張ります。

当店にお越しの際は是非お手に取ってお楽しみください。

銀座店　中野