1940年代のグリュエン カーベックスが入荷致しました。
珍しく今日はアメリカンウォッチでいきます。一世を風靡したアメリカンウォッチの雄、グリュエンのカーベックス。
ホワイトゴールドGFケースにメタリックなグレーダイヤル。派手なデザインの多いアメリカンウォッチの中では比較的落ち着いた印象ですが、風防に入るクロスラインが実に印象的です。
文字盤は若干経年変化が見受けられますが肉眼ではあまり気にならず、気持ち良くお使い頂けるかと思います。
角型の時計は基本的にケースバックが湾曲したものが比較的多いのですが、ここまで優雅で力強いカーブは流石。カーベックスの名に相応しいケースラインです。
ムーブメントはカーベックスではお馴染みのCal.370を搭載。ケースの湾曲に合わせてムーブメントまで湾曲させる徹底ぶり。
ケースサイズはラグを除いて約31mm×約22mm。腕に吸い付くような着け心地が最高です。自分の手首は平たい形状なので、あまりケースバックのカーブがきつい時計はあまり合わないことが多いのですが、カーベックスは不思議と馴染みます。色味も最高でスーツならネイビーからグレーまでどんな色でも大体合わせられる確信があります。こういう時計は一本は欲しいところです。
ここからは余談ですが、今日は撮る前から覚悟していたのですがこの時計は撮影が非常に難しい。この湾曲して且つクロスラインが入る風防は光の反射が実に厄介。ただでさえ角型は風防の経常的に撮影の難しい時計が多いのですが、中々文字盤が上手く撮れません。
なんてことを考えながら四苦八苦していたのですが、ひょっとするとこの時計は光の反射そのものを楽しむのが正解かもしれません。そもそもなんで風防にクロスラインなんか入れるのか不思議だったのですが(視認性はどう考えても少し悪くなります)、角度によっては写真の様に風防左上がくっきりと長方形の形に光り輝きます。
少し角度を変えると今度は風防の右上が綺麗に輝きます。このように視認性は度外視で、腕に乗せた時の輝きを重視したのかもしれませんね。そう考えるとこの風防の形状は宝石に見立てて造ったのかな。何となく戦後直後のアメリカっぽいなぁなんて思う一本でした。
当店にお越しの際は是非お手に取ってお楽しみください。
銀座店 中野