1940年代のパテック・フィリップ Ref.1522が入荷致しました。
40年代のパテックのスクエアウォッチ、Ref.1522のご紹介。あまり目にするリファレンスではないので結構レアものかもしれません。
特に今回の個体はデザインがユニーク。ステンレススチールケースにリューズや針等をイエローゴールドにした差し色が洒落てます。特に面白いのがインデックスでして、一見はブランドロゴと同じエナメル象嵌で造られたローマンインデックスなのですが、ダイヤル中心側にアプライドのドットインデックスがさりげなく加えられています。ローマンインデックスならではの端正な顔立ちを、ドットインデックスで程良く柔らかな印象に仕立てている、その匙加減・センスに唸らされます。
スモールセコンドの上にはローマの高級宝石商”HAUSMANN”のロゴが記されます。近年はティファニーやカルティエ以外のWネームもかなり注目を集めるようになっていますので、Wネームがお好きな方も見逃せない一本ではないでしょうか。
文字盤は経年により焼け感が有り、特に9時~10時側外周には強い焼けが有りますが、腕に乗せて見たところ大きく雰囲気を壊すほどでは無いと私は感じましたので後ほど腕乗りの写真でご確認頂ければと思います。
針です。普段私が推してるヴァシュロンやオーデマの針とは異なる文脈で造形されるこの年代のパテックのバーハンド。立体感と繊細さを併せ持つオーデマ・ヴァシュロンのバーハンドと比べ、パテックの針の肝は重量感や存在感。この時計もハカマの造形は勿論、そこから伸びる針自体の迫力が頭抜けています。他の針と比べて細い重量感を表現するのが難しいバーハンドにおいてもしっかりと風格がある、これぞパテックのバーハンドです。
アーカイブは取得済み。1942年製造の個体です。
機械は10型の手巻きムーブCal.10-110を搭載しています。
ケースサイズは約25mm×約25mm。体感的には以前ご紹介したRef.1486に近い小ぶりでバランスの良い腕乗り。文字盤のレイアウトも均整がとれています。
一方でケースサイドは想像以上に重量感を感じさせる分厚いケースライン。個人的にはカルティエのタンクノーマルに近い、武骨さと優雅さを両立したフォルムの様に感じます。
派手さは無いのですが、デザインのユニークさ、パテックらしい重量感のあるディテール、Wネームという特別感等、ジワジワと自分の琴線に触れてきます。
定番のリファレンス程価格は高騰していませんが、多分次探そうと思うとかなり難儀するモデルだと思いますので是非この機会をお見逃しなく。
当店にお越しの際は是非お手に取ってお楽しみください。
銀座店 中野
※シェルマン銀座店は3月29日より下記住所へ移転しました。
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