1940年代のパテック・フィリップが入荷致しました。
今日は久しぶりに懐中時計です。40年代のパテックの懐中時計Ref.722。この頃は既に腕時計が主流となっている時代ではありますが、この時代の懐中時計もそれはそれで楽しいわけです。
まずは何と言っても大振りのアプライドのブレゲインデックス。金を削り出して形作る製法は現代で見かけるブレゲインデックスよりもエッジの立った造形が魅力的。同様に削り出して造られるブレゲ針も立体感は抜群。美しい曲線を描く中腹から先端にかけて、しっかりと厚みを持った迫力ある造形は針好きとしては堪りません。
サイズもご覧の通り手の平にスッと収まってくれて、個人的には懐中時計全盛期のどっしりとしたフォルムの時計よりも手に取ってて気持ちが良かったりするんですよね。道具としての触る心地良さと、美術工芸品的な造り込み、それらが適度なバランス感を保っている感じが何だか良いんですよこの時計は。
ケースバックはエングレービング等が施されていないプレーンな状態。大抵懐中時計はイニシャルや紋章がエングレービングされていることが多く、プレーンな個体はいざ探すとなると中々見つかりません。
腕時計のムーブにも通ずる様な如何にもこの時代のパテックらしいレイアウトのムーブメント。
マニアックな話は置いておいて、個人的に懐中のムーブは腕時計用のムーブよりも大振りな穴石が実にそそります。透明感や赤みがね、懐中用ムーブの石は良いんですよ。
アーカイブは取得済み。1946年製造の個体です。
文字盤は若干エイジングによりポツポツとしている箇所もありますが、大きく雰囲気を損なう感じは無く、ロゴのエナメルもしっかりと立体感を感じられるまずまずのコンディションかと思います。
懐中時計にご関心のあるお客様、この時代の懐中時計から始めるのも面白いですよ。
当店にお越しの際は是非お手に取ってお楽しみください。
銀座店 中野