1950年代のパテック・フィリップ Ref.570が入荷致しました。
パテック・フィリップのRef.570のスモールセコンド仕様のご紹介。今日は気付いた事が有るのでちょっと長めの投稿です。
Ref.570と言えば言わずと知れたヴィンテージパテックにおけるビッグカラトラバの代表格。1930年代後半に誕生し、40年近く生産され続けた大ベストセラーモデルの一つ。極端にレアなデザインのものでなければ比較的数も多いためヴィンテージパテックの最初の一本に選ぶお客様も多い定番モデルです。
今回の一本は比較的レアなスモールセコンド仕様で当ブログでは初めてご紹介します。デザインはドルフィン針に砲弾型のインデックスという、誰もが認めるこれこそカラトラバと言える超王道のデザイン。文字盤には若干の傷や汚れは見受けられますが、ロゴやスモセコのエナメルの立体感等はしっかりと残っています。
正に、”最初に欲しいヴィンテージカラトラバ”ではないでしょうか。
兎にも角にもまずは針。いつ見てもヴィンテージパテックのドルフィン針は迫力があります。クリアランスもギリギリまで詰めてますね。
この針の厚みを求めると、やっぱりヴィンテージで探す他ありません。
ムーブメントはパテック製の手巻きCal.12-400を搭載。12型の手巻ムーブでは第二世代に当たり、耐震装置の追加や薄型モデルへの搭載を想定した外周の面取り等が施されています。コンディションも文句無しで美しい仕上げは約70年経った現在でも健在です。
アーカイブは取得済み。1955年製造の個体です。
さて、冒頭で書いた気付いた事とは腕乗りについてです。ケース径約35mmのRef.570。センターセコンド仕様の570は度々当ブログでも登場しておりますので、私の様な細腕には若干大きいサイズ感と書き続けていたことも日頃投稿をご覧頂いているお客様にはご存じの事と思います。
結論から言えばこのスモセコ仕様のRef.570、私の細腕にも乗ります。
ポイントは裏蓋。普段見かけるセンターセコンドの570は裏蓋はムーブメントの厚みの分膨らみのある形をしていますが、スモセコ仕様のRef.570の場合はRef.96と同様にフラットな裏蓋。
これがケース全体の厚みを抑える事に繋がります。こちらの写真ではケースサイドはリューズよりも薄く見える程薄いですね。
加えてスモールセコンドはセンターセコンドと比べて針一本分は風防を低く薄いものに出来ますから、文字盤側とケースバック側両方で時計全体の厚みを抑えることが出来ます。
という訳で腕に乗せるとセンターセコンドと比べて遥かに薄型に見えるのです。その上時計自体の重心も若干低くなりますので装着感もより良く感じます。
腕元にもしっかり収まってくれていますし、文字盤の間延び感も全然ないですね。
個人的にはトゥーマッチな印象だったRef.570。今回でかなり印象が変わりました。かなり良いですスモセコ版570。私同様腕回りが細いお客様でも、お試し頂く価値のある一本かと思います。
勿論現行の時計がメインのお客様にも馴染みやすいサイズ感と、Ref.570が本来持つエッジの立ったマッシブで迫力のある造形にきっとご満足頂ける事と思います。
こちらのRef.570はセール期間中はなんと10%オフでご案内させて頂きますので、ヴィンテージのカラトラバをお探しだったお客様はどうぞお見逃しなく。
当店にお越しの際は是非お手に取ってお楽しみください。
銀座店 中野