1950年代のヴァシュロン・コンスタンタン “クロノメーターロワイヤル”が入荷致しました。
ここ2.3週間はヴィンテージのヴァシュロンが怒涛のように入荷しておりました。実はブログやオンラインショップに出す前に売れてしまったものも結構有りまして、残念ながらご紹介出来なかった時計も御座います。個人的に仕入れは一度に集中するよりも、少量でもコンスタントに出来ると良いなと思うのですが、まるで時計が時計を呼んでいるかの様な嵐のような入荷に翻弄されるのもまた時計屋冥利に尽きるなと最近思います。
というわけで本日はヴァシュロン・コンスタンタンの Ref.6111 クロノメーターロワイヤルのご紹介です。異論は勿論有るかと思いますが、ヴィンテージヴァシュロンのドレスウォッチの中で最も花形と言えるのがこの手巻きのクロノメーターロワイヤルではないでしょうか。
ちょっと乱暴な話ですが「ヴィンテージのヴァシュロンで一番良いのが欲しい」と訪ねられたら「だったらクロノメーターロワイヤル買いなさい」と言いたくなります。
とは言えそう簡単に見つからないのもクロノメーターロワイヤルでして、後年の自動巻きの通称”バットマン”と呼ばれるモデルはまだ見つけやすいのですが、手巻きのクロノメーターロワイヤルは私が入社してからは初めての仕入れ。少なくとも6年以上振りの入荷と言うことになります。
さてこのRef.6111ですがまず目を惹くのがケースデザイン。ラグがヴァシュロンのマルタ十字を模した造形で、これは現行のヴァシュロンの”フィフティーシックス”シリーズでも踏襲されているデザインです。
文字盤はクサビインデックスと12・3・6・9時位置は砲弾型インデックスの組み合わせですが、砲弾インデックスは外周側を斜めにカットされていて、ここもマルタ十字を意識しているように私は感じます。更にスイスの高級宝石商のチューラーとのWネームの為、6時下に入る”TURLER”のロゴが文字盤のバランスを取るのにも一役買っています。
若干文字盤はエイジングの跡が見受けられ好みは有るかと思いますが、実物は写真ほどは気にならないと思います。
アルファ針の先端の鋭さは勿論ヴァシュロンクォリティ。個人的に好きな秒針のお尻の膨らみ具合から、
先端の鋭さまで、外装のクォリティは勿論文句無し。
バックルは後年のヴァシュロン純正の尾錠が付属します。
さてこの時計の肝であるムーブメント、ジャガールクルト製のCal.P1008です。ただでさえ高精度のCal.454を更にブラッシュアップし、石数も2石増の19石仕様。
そして最も特徴的なのがこのストップセコンド(ハック機能)用の湾曲したアームです。リューズを引くことでアームがテンプに干渉し秒針を止める機構。このアーム自体にもしっかりと仕上げが施されており、隅々まで職人の手が行き渡っていることが伝わります。
それにしてもこの時代のドレスウォッチでハック機能は珍しいですね。高精度を謳ったヴァシュロンの最上級機種としての自信が垣間見えます。
さて腕乗りですが、今回は僅かに私の腕には大きすぎる感じです。ケースサイズは約35mm。ぱっと見はハマっているんですが実際は予想以上にボリューミー。前回のヴァシュロンは最初は乗らないだろうと思ったら意外にもしっかりハマってくれましたので今回は逆の結果に。
ラグが上下にしっかりと突き出ているのでちょっと腕に沿う感じが僕の細腕だと足りないんですよね。逆に私よりも一回り腕元がしっかりしている人にはばっちりハマるかと思います。
というわけで私は腕に乗せこなす自信はありませんが「クロノメーターロワイヤル」と言う響きには抗い難い魅力・憧れがあります。なんとも罪な一本です。
今回のクロノメーターロワイヤルにはヴァシュロンが発行したアーカイブも付属しており、コレクションアイテムとしての満足度も非常に高い一品。
ヴィンテージヴァシュロンにご関心をお持ちのお客様には必見のクロノメーターロワイヤル、この機会をどうぞお見逃しなく。
当店にお越しの際は是非お手に取ってお楽しみください。
銀座店 中野
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