1990年代のブレゲ “エキセントリック”が入荷致しました。
ブレゲ強化月間である8月のラストを飾るのはブレゲ クラシックシリーズの中でも代表作と言っても過言ではない”エキセントリック”のご紹介です。
12時位置のムーンフェイズとその左右に配置したデイ・デイト表記、中心からオフセットした時分針等、独特のスタイルでありながらも奇をてらった感じはまるでなく、正に”クラシック”シリーズの名に相応しい佇まい。個人的にはデイトの窓の面取りが滑らかで美しいのがツボです。
この美しい左右対称のデザインはかつてブレゲが製作した懐中時計がモチーフと言われており、そのデザイン性の高さにはもしブレゲがこの時代に生きていたらきっとこういった腕時計を造ったであろうと思わせる強い説得力があります。
先日のムーンフェイズ付きの手巻きモデルRef.3300BAをご紹介した際に少し触れましたが、ブレゲの針はブルースチールという光を吸収する色味で立体感を出しにくいスタイルで有りながらもしっかりと立体感を感じる事が出来て非常に好みです。
特にこのモデルはハカマの立体感・造形等より丁寧に形作られていて、このモデルに対するブレゲの意気込みが伝わってきます。
ムーブメントは自動巻のCal.502を搭載。ローターにまで施されたギョーシェも文字盤同様に緻密な彫り込み。
バックルはブレゲ純正の18KYG製の尾錠が付きます。
個人的にブレゲは撮影していて屋内よりも日光の下で見る方がカッコ良い気がします。実に良い雰囲気です。
ケースサイズは約36mm。細腕の私は普段なら敬遠するビッグサイズではありますが如何でしょうか?私的には非常に素晴らしい腕乗りです。
ベゼルも細く文字盤が大きいので本来ならもっと大きく感じるはずですが、文字盤の絶妙なレイアウトが効いているのかかなりバランス良く収まっていると思います。
今回の個体にはブレゲ純正のBOXも付属します。
若干のヤレ感がありますが中々に良い雰囲気ではないでしょうか。
以上、ブレゲ Ref.3330BA “エキセントリック” でした。
今月は3回に渡って90年代のブレゲをご紹介させて頂きましたが皆様如何でしたでしょうか?
ここからは私個人の考えではあるのですが、”古い物=良い物”と盲目的に考えずに、どんな年代の時計であっても”良いものは良い”と認め、それがシェルマンのテイストに合い、お客様に喜んで頂けそうな時計であれば、今後も積極的に扱う時計を増やしていきたいなと思っています。
ひょっとすれば「アンティークウォッチ屋が何を言うか」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、我々シェルマンはアンティークウォッチだけでなく、オリジナルウォッチや独立時計師の作品等、様々なジャンルの時計を扱っております。シェルマンの理念の一つである”時計文化の継承”、これはアンティークウォッチだけに限らず、現代の時計に対しても我々のスタンスは変わりません。
このブログは基本的には時計の新着のご紹介をメインとしてはいるのですが、普段漠然と「良いなぁ」、「カッコ良いなぁ」と時計に対して感じていることを、言語化、文章化することでその時計の良さを深くアピール出来ればと思っています。勿論それで実際にその時計をお買い上げ頂ければ一番嬉しいのですが、例えば既にその時計を持っている方が私のブログを見て、より自分の時計を好きになり、その時計をずっと大切にしてくれるのであれば、それもまた”時計文化の継承”の一助であるのではないか、と思っています。
少し長くなり過ぎましたので今日はこの辺で。皆様、引き続き良い腕時計ライフを。
当店にお越しの際は是非お手に取ってお楽しみください。
銀座店 中野