1940年代のヴァシュロン・コンスタンタンが入荷致しました。
今日のヴァシュロンはかなり良いです。ひょっとすると私的には今月の入荷の中ではベストかもしれません。
デザインは極めてシンプル。バーハンドに砲弾型インデックスの三針スモセコノンデイト。外周をレイルウェイトラックで囲んだこれ以上ないくらいクラシックで王道のデザイン。ともすれば没個性な印象に陥り兼ねないデザインでありながら、それでも隠し切れない程の存在感が滲み出ているのはヴァシュロンの妥協の無いディテールの造りこみ故でしょう。これ一本持っていればドレスウォッチはひとまず安心ですよ。
文字盤は若干のエイジングと、僅かに4時インデックス周辺に傷が見受けられますが全体的な雰囲気は悪くありません。ケースも過度なポリッシュはされておらず、ケースとラグに打たれたホールマークはしっかりと残っています。
流石のヴァシュロン、相変わらず針のクォリティが高い。先端の鋭さと立体感は文句無し。磨き上げられた先端のヌルヌルしたような輝きが堪りません。
ムーブメントはジャガールクルト製の手巻きCal.V453を搭載しています。
今回のヴァシュロンはスイスの高級宝石商チューラーとのWネームモデル。ヴァシュロンのブランドロゴの下にチューラーの銘が入ります。
ケースサイズは約33mm。この時計、最高のバランスです。まずケース径が個人的にベストサイズなのに加え、
パテックのカラトラバを彷彿とさせる重厚感と優雅さを兼ね備えたケースライン。腕元での存在感は抜群です。
更にカラトラバと異なりフラットでは無い僅かにテーパーを掛けたベゼルがまた絶妙。恐らくこのサイズでRef.96等の様なフラットベゼルにするとかなり重厚感が強くなると思いますが、この僅かなベゼルのテーパーが程良く時計全体の印象をマイルドに。かといって華奢な感じでもない丁度良い塩梅なんですよ。ラグ幅が20mmなのも、腕に巻いた時の縦のラインが強く強調されるので腕元での迫力を演出するのに一役買っているのでしょう。
上旬に投稿した薄型のオーデマ(販売済み)も素晴らしい一本でしたが、このヴァシュロンも甲乙つけ難い完成度。まさか月の下旬でこういう時計に出会えてしまうとは。。。。これだから時計屋は辞められません。
当店にお越しの際は是非お手に取ってお楽しみください。
銀座店 中野