1950年代のモバードが入荷致しました。
久しぶりにモバードを撮りました。18KYGのクロノグラフです。
40年代の派手なデザインのクロノグラフと比べるとパッと見た感じはシンプルな印象では在りますが、アルファ針にクサビ型のインデックス、積算計のサーペント針等、さり気無くもデザインへの拘りを細かなディテールから見て取ることが出来ます。こういうところが50年代デザインの好きな所です。
文字盤は多少のエイジングは見られますが肉眼では写真ほどは目立たちません。オフホワイトの文字盤にブルーのタキメーターが爽やかな一本です。
一番の見どころはこのケースデザイン。ステップを利かせたラグからケースサイドかけての造形はポリッシュとヘアラインを使い分ける事で立体感を際立たせています。角型のプッシャーもケースのデザインと非常にマッチしていますね。勿論これはしっかりとエッジの残ったケースコンディションであることが前提。今回の個体はそれらを語るに申し分ない状態だと、写真からもお判り頂けるのではないでしょうか。
バックルは当時物のヴィンテージの尾錠が付属。ちなみにモバード用で同じデザインに”M”のロゴが付いたものも存在します。今回のバックルはロゴ無しですが、バックルの製造会社は同一です。
ムーブメントはCal.90Mを搭載。モバードでも人気の高いクロノグラフ用のムーブメントで、一般的なクロノグラフと異なり、4時位置プッシャーがスタート・ストップ、2時位置プッシャーがリセットと上下逆の操作性は非常に独創的。当時から数多くのムーブメントを自社製造していたモバードならではの拘りでしょうか。
ちなみに、かなり昔の投稿で書きましたが”MOVADO”とはエスペラント語で”たゆまぬ前進”を意味します。
最後は腕乗り。ケースサイズは約34mm。スクリューバックでビッグサイズが人気のヴィンテージクロノ市場ではありますが、個人的にはクロノも35mm未満のサイズが好み。今回のモバードは裏ブタもスナップバック故に厚みが過度にならず、カジュアルになりがちなクロノグラフにおいてドレッシーな雰囲気すら漂います。
当店にお越しの際は是非お手に取ってお楽しみください。
銀座店 中野