1960年代のパテック・フィリップ Ref.2481 が入荷致しました。
1960年代のパテック・フィリップ Ref.2481のご紹介。
ドルフィン針に砲弾インデックスを組み合わせた、パテックのドレスウォッチにおいて最もオーソドックスなスタイルではありますが、Ref.2481はケースサイズ約37mmという、ヴィンテージパテックの中でも最大級のケースサイズを誇ります。
良く似たリファレンスでRef.2452というスモールセコンドのモデルもあるのですが、Ref.2452は約35mmのケースサイズのため、Ref.2481とは2mmもの差があります。
文字盤は極微細なシミや焼け感等のエイジングは見受けられますが、クリーニング等は施されておらず、ロゴのエナメル象嵌の立体感をご堪能頂ける良コンディションです。
原本は到着待ちですがアーカイブも取得済み。1963年製造の個体です。
Ref.2481の最も特筆すべきポイントがラグのデザインとエッジ感。かぎ爪のような大きく湾曲したステップドラグは非常に迫力があります。特にこのラグのステップが生み出すエッジが肝だと思うのですが、大体の個体は後年にポリッシュが施されてしまっています。しかしながら今回の個体は御覧の通りしっかりとエッジが残っており、当店でもここまでのものは久しく見ておりません。
ミドルケースは僅かにポリッシュが施されているものと思われますが、オリジナルのシェイプを崩す程ではなく、ホールマークも健在です。
ヴィンテージパテックの真骨頂、特大・極厚のドルフィン針。手作業で曲げられた針の先端までしっかりと厚みが有ります。
機械はパテック・フィリップ製手巻ムーブCal.27SCを搭載。ムーブメントも良コンディションで、60年の時を経てもなお美しい仕上げは健在です。
腕乗りです。570よりも大ぶりな37mm。当然私の腕には大き過ぎると思っていたのですが意外にも腕乗りは良好でした。文字盤に間延び感も無く、想像以上にバランスの取れたデザインであることが解ります。
恐らく秘密はケースのデザイン。Ref.2481もう一つの特徴とも言える、すり鉢状のベゼルとケースの内側に抉る様に絞り込まれたケースサイド。この独特のケースデザインと立体的な造形のステップラグの組み合わせが、時計全体にしっかりとメリハリと迫力を与えながらも、過度にボリューミーになり過ぎない、ドレスウォッチとしての美しい佇まいを生み出しているのだと思います。
Ref.2481の外側内側両方にテーパーをかけたすり鉢状のベゼルは、96や570等のフラットベゼルや、2451や2509等の外側のみテーパーをかけたベゼルと異なり、テーパー面が増えた分だけ光を受けた際の輝きがより際立ちます。腕元の動きに合わせて輝く姿を計算してデザインされたのかもしれません。
ラグからベゼル、ケースの隅々まで拘り、手間をかけて造形されたRef.2481のケースデザインは、ただ眺めているだけでも心から楽しむことの出来る、まるで美術工芸品のような美しさです。
なんて、ちょっと褒め過ぎましたかね(笑)
パテック・フィリップ Ref.2481、当店にお越しの際は是非お手に取ってお楽しみください。
銀座店 中野
※シェルマン銀座店は3月29日より下記住所へ移転しました。
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