1930年代のIWCが入荷致しました。
今日のオールドインターは満点をあげたいくらい私好み。
ブレゲ針にエンボス仕上げのブレゲ数字のインデックス。外周をレイルウェイトラックで囲んだ3針スモセコノンデイトの王道スタイル。「ドレスウォッチならばこうあって欲しい」という私の願望を具現化したかのようなデザインです。
文字盤は全体的にポツポツとエイジングの跡が見受けられますが、肉眼ではほとんど気にならない程度かと思います。むしろ程良いやれ感がドレッシーなテイストを適度に落ち着いた雰囲気にしてくれています。これはこれで全然アリ、という感じです。
単にデザインだけでなく、針の造り込みも中々頑張っています。特に中腹のリーフ針の様な美しい曲線と立体感はかなりの出来栄え。3大ブランドのクォリティにも負けじと喰らいついている感じで素晴らしいです。
機械は30年代~40年代のインターを代表する銘ムーブCal.83を搭載。
一般的なCal.83と異なり、金無垢のケースに搭載される場合はご覧の通り2番車に石が追加される高級仕様が多かったと聞きます。仕上げそのものもより美しく、こちらもまるでパテックに追いつかんとするような気合の入った造り込み。
ケースサイズは約30mm。これはもう私の大好物のサイズです。よって腕乗りは文句無し。
この小振りなサイズにギュッと詰まった文字盤の凝縮感が堪らないのです。スモセコなど各部のレイアウト・バランスも文句無し。間延び感を一切感じさせません。
私がまだシェルマンに入る前に、アンティークウォッチに興味を持った切っ掛けがCal.83を搭載したオールドインターなのですが、その時の気持ちを想起させてくれる一本です。
当店にお越しの際は是非お手に取ってお楽しみください。
そういえば余談ですが私、今日でシェルマンに入社して丁度6年が経ちまして7年目に突入しました。前職までは全く畑違いの仕事をしておりましたので時計屋としても丸6年ということになり、間もなく自分の職歴では一番長いキャリアになります。ブログも何だかんだで5年くらい続けさせて貰っておりますし、最近は少しずつですが一人で買付に行く機会も増えてきましたので、シェルマンに入社する前には想像も出来ないくらい時計の仕事に携わらせて貰えてるなぁと実感しています。
これもひとえに皆様のご愛顧があってこそですので、今後とも皆様に楽しんで頂けるように日々邁進する所存です。それでは今後ともichigo_ichieブログを宜しくお願い致します。
銀座店 中野