
1950年代のパテック・フィリップ Ref.1578が入荷致しました。

50年代のパテック・フィリップ Ref.1578のご紹介。
Ref.1578は50年代を代表するパテック・フィリップのドレスウォッチの一つで、比較的出会いの機会が多いのと、程良いサイズ感も相まって、私的には馴染み深いリファレンスという印象。
ところが今回のRef.1578はリーフハンドにスモセコのスタイル。Ref.1578は大体はドルフィンハンドにセンターセコンドを用いた直線的なデザインの印象なので、この個体は柔らかなデザインではありますがかえって目を引かれます。加えてインデックスはクサビと飛びアラビックの組み合わせ。特にアラビックは3と6が横を向いた通称”3バカ”ダイヤルで、ユニークな顔立ちが更にグッド。意外と無いんですよこういうデザイン。
ケースは全体的にポリッシュ感はありますが、ホールマークはしっかりと残っています。文字盤も強い汚れや傷はありませんので、気軽に使って楽しめるヴィンテージパテック、と言ったところでしょうか。

バックルは後年のパテック純正18KYG尾錠が付属します。

パテック・フィリップ製の12型手巻ムーブの第二世代に当たる、Cal.12-400を搭載。個人的にパテックの手巻きでは一番好きなムーブ。コンディションも良好です。

ケースサイズは約35mm。ヴィンテージパテックの中ではビッグサイズに入るのですが、個人的にRef.1578の腕乗りはかなり好み。最初見た頃はホーン系のラグがちょっとファンシー過ぎるかと思ったのですが実際には端正な佇まいで、なによりも全体的なケースデザインの完成度が高いのか、自分の様な細腕でも御覧の通りしっかりと腕に乗ってくれるんですよね。

ケースサイドも厚みを感じさせないエレガントな出で立ち。サイズだけならRef.570と大差ないのですが、袖元での佇まいは大きく異なります。

パテックのリーフハンド、やっぱ好きですねぇ。ビッグサイズのパテックでリーフハンドは意外と見かける機会が少ないので、お好きな方は是非一度お手に取って頂ければ。

アーカイブは取得済み1954年製造の個体です。

最後はおまけ。備考にこんな表記がありまして、どうも今回の個体はケースは顧客からの供給(持ち込み?)とのこと。あまり見ない表記ですが、当時どういう理由で顧客からの提供となったのでしょう?ムーブメントだけ出荷されて後からケーシングされた個体はいくつも見ていますが、ちょっとこれは異なる事情な気がします。人間さながらに様々な歴史を持った、ヴィンテージウォッチならではの楽しみを垣間見える一本でした。
当店にお越しの際は是非お手に取ってお楽しみください。
銀座店 中野
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