皆さまご無沙汰しております。
今月はシェルマン青山店の私、山本が選び抜いた時計たちをご紹介して参ります。
はじまりに相応しい1本目は1940年代のドイツよりご紹介するマイナーブランド「ARCTOS(アークトス)」です。

言わずもがなエッジが立ちまくり。稀少な「デッドストック」とも言って差し支えないコンディションの個体です。
時計の撮影をしていたにも関わらず、思わず車を撮影していると錯覚をしてしまった私です。
別のアングルでもご確認いただけますが、縦横のベゼルで異なるヘアライン仕上げが施されており、この絶妙なコントラストも堪らないポイントです。

そしてデッドストックの恩恵を受けるのは何もケースコンディションだけではありません。
非常に綺麗な状態を保ったダイヤルです。ほんのりと艶を残したブラックミラーの文字盤をこれまた絶妙なシルバーのレールウェイが囲んだツートンダイヤル。そしてスモールセコンドが全体のバランスを見事に整えてくれています。
針焼けこそありますが、むしろ程よい渋さを演出してくれているのではないでしょうか。

ケースに少し戻りますが、ケース形状は同年代に一世を風靡した「Gruen(グリュエン)」のカーベックスを彷彿とさせるような、カーブ型のレクタンギュラーケース。
シルバーカラーのケースのカーブ型ケースは必然的に年代が古いことも含めて個体数が少なく、かつコンディションが良い個体を探されるのは難しい、まさに出会いの一本です。

ケースマテリアルはニッケル、裏蓋にステンレスが採用されたスチールバック。
ケースサイズはラグを除いて約31mm×約21mm。ベルトは巻き込み式の14mmが装着されております。
この腕にスッと馴染むような着用感はカーブ型ケースならでは。
決して知名度の高いブランドではありませんが、こういった出会いもアンティークならではないでしょうか。

長角時計の隆盛期でもある1940年代にドイツより生まれ、極めて良好な状態で当時の姿を残す貴重な時計。
ぜひ店頭にてご覧ください。
そして今回はこの時計から私が想像しながら探した曲もご紹介。
曲名: Nur nicht aus Liebe weinen(和訳 ~愛のために泣かないで~)
アーティスト: Zarah Leander(ツァラー・レアンダー)
リリース: 1939年
作曲: Theo Mackeben(テオ・マッケベン)
作詞: Hans Fritz Beckmann(ハンス・フリッツ・ベックマン)
1939年公開のドイツ映画『Es war eine rauschende Ballnacht(それは熱狂的な舞踏会の夜だった / 邦題:熱情の狂想曲)』(カール・フレーリヒ監督)の劇中歌として発表された楽曲です。作曲はテオ・マッケベン、作詞はハンス・フリッツ・ベックマンが手掛け、当時の大スター女優であったツァラー・レアンダーが劇中で歌い上げています。
こちらもお気になる方はぜひお聴きください。
青山店 山本
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